伏び爺さんの場合
わしが人間ドックを受けた時の話をしよう。
まず、人間ドックの手順の説明があった
わしのカルテにはこんなことが書いてあった
明治38年生まれ
住所 長野県FCR線 渋谷―相川間10k500m
長さ 10m
管径 460mm
材質 陶管
土砂堆積量 両管口ともに40%
表札 有
調査員はわしから300mの所までは近接可能
初めての調査を受けることになり緊張して待っていると調査員が現れたのじゃ。
近隣の方の協力が得られたので、洗浄してから胃カメラ(FCRカメラ)で調査を行うが、洗浄用の車両(高圧洗浄車、強力吸引車)が近接できないため、ホースをのばし遠隔で洗浄し、FCR技師が胃カメラ(FCRカメラ)を背負い、わしのところまで来て調査をしてくれるという話だった。
当日、3人の患者を順番に見て回るそうでわしは1番目だった。
まずは洗浄。300m離れた車から高圧の水が特殊なノズルから吹き出し、わしの100年の垢を簡単に落としてもらった。そして垢は遠方の強力吸引車で集めた。
次は胃カメラ(FCRカメラ)。私の身体はぼろぼろで管がずれていたり、ひび割れしていたりで胃カメラ(FCRカメラ)で最後まで調査できるのか心配だった。
FCR技師が背負ってきたカメラは優秀で、背負って私の近くまで来られる、自走で段差を乗り越える、水中カメラを改良したものなので濡れても大丈夫、小型でどこでも調査できるという特長を持っていた。
無事調査が終わり、翌日調査結果の説明を受けた。
管が変形していて管上部に欠損がある(AA)、全身に複数のひび割れが発生している(A1)、管に軽微な食い違いがある(C)という状態だった。したがって、運転保安に対する影響があり、変状の程度は重大と判断され、緊急に措置ということになったんじゃ。
その2週間後、アンチエイジング手術(FCRライナー工法)を受け元気になったが、その自慢話は第4章でゆっくりとさせてもらおう。